コラム

 

骨粗鬆症とは

骨は、古い骨を壊す一方で新しい骨を作ることで一定の状態を保っています。骨粗鬆症は、骨吸収が多くなる事によって骨がもろくなる病態のことで、骨折が起きやすい状態のことです。大腿骨や椎体骨の骨折はいわゆる高齢者の寝たきりの最大の原因となります。高齢女性を中心に年々増加しており、日本では1100万人を上るといわれている。また、60代女性の3人に1人、70代女性の2人に1人が、骨粗鬆症をもっているといわれています。骨折して初めてわかることも少なくありません。骨粗鬆症は大きく原発性骨粗鬆症と続発性骨粗鬆症に分けられる。原発性骨粗鬆症とは、閉経や老化に伴い骨密度が低下するタイプのもので、続発性骨粗鬆症とは何らかの疾患が原因で骨密度が低下するタイプのものである。また、ステロイドや利尿剤による薬剤性骨粗鬆症もあります。

検査

編集骨密度測定法は一般的には、2種類の異なるX線を骨にあてて、骨とほかの組織におけるX線の吸収率の差から骨密度を測定します。若年成人平均値(YAM)を基準値として、70%未満であれば、どの部位であっても骨粗鬆症と診断することとなっております。

予防

適正体重の維持、適切な運動、栄養指導、栄養素の摂取、カルシウムを食品から700~800mg、ビタミンD 400~800IU(10~20μg)、ビタミンK 250~300μgの摂取を心掛ける、喫煙と過度の飲酒は避ける、転倒予防することが大切です。

治療

骨粗鬆症の治療は、3本柱で食事、運動、薬物加療です。
骨粗鬆症性骨折の既往がある場合、骨密度(DXA測定)がTスコア-2.5(YAM70%)未満である場合、骨密度(DXA測定)がTスコア-1.0~-2.5でFRAXで10年以内の骨粗鬆症性骨折のリスクが15%以上である場合、ステロイド長期全身投与を行っているまたは行う予定がある場合は、薬物療法の適応といわれています。

食事・運動療法

食事では、さまざまな栄養素をバランスよくとり
特にカルシウム、ビタミンD、ビタミンKなどの栄養素を取るように心がけましょう。
また、日光や運動をすることによって骨も強くなります。

転倒予防

リハビリなどの運動療法は転倒を抑制しQOLを改善させます。

薬物療法

骨粗鬆症は内服や注射等の(ビスフォスフォネート系薬剤・SERMおよび女性ホルモン・抗RANKL抗体・テリパラチド ビタミンD ビタミンK製剤 等々)加療を行います。

一般社団法人 日本骨粗鬆症学会「予防と治療ガイドライン」より