コラム

 

質問

75歳の女性です。数年前からひざの痛みがあり、現在では歩行もままならなくなりました。軟骨がすり減ってO脚があるため医師から「人口膝関節置換術」をすすめられましたがどんな手術でしょうか?

回答

日本では和式の生活のため、変形性膝関節症が欧米に比べ多いといわれています。そもそも、ひざ関節とは、大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)、そして膝蓋骨(お皿の骨)の3つの骨が組み合わさっています。3つの骨の表面は弾力のある軟骨でおおわれクッションの役目を果たしています。変形性膝関節症とは、加齢とともにその軟骨が老化し骨同士がぶつかり合って痛みが出るようになります。また、関節の表面が凹凸になり、なめらかな動きが阻害され水が溜まったり、歩行ができなくなったりします。いったん痛んだ軟骨は、元に戻ることはなく数年かけて変形はひどくなる傾向にあります。人工膝関節置換術とは、その痛んだ関節を取り除いて、人体に適応するように開発された特殊な金属やセラミックなどでできた人工関節を骨にかぶせる手術のことです。人工関節手術にもいろいろな種類があり、痛んだ部分だけを換える単顆型人工関節置換術と全体をかえる人工関節全置換術があります。手術後は、患者さんの関節の動きがなめらかになり、O脚がまっすぐになり、痛みを和らげることが期待できます。手術は、全身麻酔でも下半身の麻酔でも可能です。手術後はすぐにリハビリを開始し翌日より歩行訓練を開始します。手術後すぐにリハビリを行うことによって筋肉の衰えを防ぐことができます。手術後は早い方で1~2週間程度で自宅に帰ることができます。

※膝関節に負担がかからないよう、普段から運動をして筋肉を鍛えましょう。