コラム

 

質問

70歳の女性です。病院で十数年前に「変形性股関節症」と診断されました。数カ月前から股関節の痛みがひどくなり、硬くなって、ひざを曲げることもできなくなりました。 最近は歩行もおっくうになり、痛みで寝返りを打てません。また、安静にしていても痛みが強いです。このような状態で、手術は可能でしょうか。また、痛みは和らぎますか。

回答

相談者の場合、大腿(だいたい)骨と骨盤が破壊されていると思われます。そのため、大腿骨頸部(けいぶ)骨折のように人工骨頭を入れるだけでは、痛みは緩和されません。
変形性股関節症の手術には、人工股関節全置換術(THA)があり、大腿骨の骨頭と、骨頭を屋根状に覆う骨盤の骨・臼蓋(きゅうがい)の変形を直します。 この手術は、全身麻酔または腰椎麻酔、硬膜外麻酔でも可能です。
術後、早期にリハビリを開始し、筋力を強化すれば2~3週間で歩行できるようになり、退院できます。術後から、痛みが改善されやすいのも利点です。
詳しくは整形外科の専門医に相談を。

*人工股関節全置換術は、術後から痛みが改善されやすいのが特長

「リビングくらしき(2016.12.27)」より