コラム

 

質問

83歳の母のことで相談です。現在、直腸が10cmも脱出しました。肛門科を受診すると、完全直腸脱と診断され、デロルメ法の手術を受けました。 しかし、1年後、肛門がムズムズしたり、立つと不快感があったりして、再発しました。良い治療法はありますか。

回答

直腸脱には①直腸の全層が脱出する「完全直腸脱」、②直腸粘膜だけが脱出する「不完直腸脱」の2種類があります。
 
経肛門的手術のデロルメ法とは、直腸粘膜を切除し、しょう膜を縫い縮め、直腸を折り畳む手術です。完全直腸脱の場合、10cm以上脱出したり、デロルメ法で手術しても再発したりする場合があります。
 
手術は、腹腔内で直腸を固定する手術がよいでしょう。この方法にも①全身麻酔をする腹腔鏡手術、②腰椎麻酔で腹腔鏡を使わない手術の2種類があります。 この方の場合、高齢のため、手術時間が短く、全身麻酔の必要がない②の方が負担が少ないかもしれません。詳しくは、肛門科の専門医へ。

*腹部を切開して、直腸を固定する手術がよいでしょう

「リビングくらしき(2016.11.26)」より