コラム

 

質問

77歳の母のことで相談です。腎機能障害と骨粗しょう症の治療中に転倒し、病院で「左大腿骨頸部(けいぶ)骨折」と診断されました。 動くと痛みが激しく、安静にしていても強くうずきます。もともと腎機能が良くないのですが、手術した方がよいと言われました。手術には、どのような方法がありますか。

回答

高齢者に多い骨折には、①頸部骨折②転子部(てんしぶ)骨折があります。相談者の場合、頸部骨折の手術を受けた方がよいでしょう。
その理由として、
①痛みが強いため、体動制限される
②痛みで体を起こすことができなくなると、食事の回数が減る
③鎮痛剤を服用すると、さらに腎機能が悪化
が挙げられます。
 
頸部骨折の手術は、人工骨頭置換術(BHA)を行います。これは、骨折した左大腿骨の1番上にある球形の骨頭を取り除いて、人工骨頭を埋め込むという手術です。頸部骨折の場合、血流が悪くなるため、プレート(板)を使っても骨頭が接合しないので、このような手術が必要です。
 
一方、転子部骨折の場合は骨が癒合しやすいので、金属機器で固定する骨接合術(CHS)を行います。大腿骨の外側から骨頭に太いネジ(ラグスクリュー)を入れて固定するという手術です。
詳しくは、整形外科の専門医に相談を。

*骨頭を取り除き、人工骨頭を埋め込む「人工骨頭置換術」があります

「リビングくらしき(2016.10.29)」より