コラム

 

質問

71歳の女性です。血便が出て、腹痛があり、下痢もしたので、感染性胃腸炎かもしれないと思い、病院で便の検査を受けました。 1週間後、出血性大腸菌のO25が見つかり、抗生物質が処方されました。医師の勧めもあり、下剤を服用しない緊急大腸カメラを受けたところ、腸が詰まりかけていて、直腸上部に進行がんが見つかりました。進行大腸がんの人は、下痢になることもあるそうです。1度の出血と下痢で、大腸がんはありうるのでしょうか。

回答

大腸がんは、症状が分かりにくい病気です。 大腸からの出血のうち、大腸がんの比率は19%と比較的高いのですが、早期の段階では無症状のことが多いのです。ある程度進行し、出血しても便中に血が混じってしまうので、異常に気付きにくいというデメリットがあります。
 
代表的な症状は、①血便②下痢や便秘などの便通異常③腹痛④腹部のしこりの4つ。これらの症状がある人は、進行がんの可能性が高いので、腹部に何かしらの異常があれば、早期に大腸カメラを受けた方がよいでしょう。
出血や下痢が続いても、「痔や一時的な症状だろう」と自己判断し、すぐに病院を受診するケースが少なく、病気が進行している場合があるため、注意が必要です。 詳しくは胃腸科の専門医へ相談を。

*大腸からの出血のうち、大腸がんの比率は19%と比較的高いのです
*数値データの出典:福岡大学筑紫病院消化器内科

「リビングくらしき(2016.6.25)」より