コラム

 

質問

70歳の男性です。下痢をしていたので、病院に行くと、「細菌性腸炎」と診断されました。抗生物質を服用していましたが、下痢がだんだんと激しくなり、腹痛もあったので、さらに詳しい検査を受けたところ、「偽膜性腸炎」と診断されました。これは、どのような病気でしょうか。

回答

偽膜性腸炎とは、薬剤起因性腸炎の1つです。この腸炎には、次の2種類があります。

①急性出血性腸炎…ペニシリンまたはセフェム系などの抗生物質を服用した後に、血性の下痢や腹痛によって発症することが多い。アレルギーが原因といわれている。抗生物質の服用を中止すると治る

②偽膜性腸炎…抗生物質の長期服用によって正常な腸内細菌のバランスがくずれる菌交代現象が起こり、クロストリジウム・ディフィシル菌が異常増殖して発症する。

下痢・腹痛・発熱などの症状がみられる。治療はバンコマイシン薬の経口投与を行う。老人の場合、下痢が続くと、脱水胃腸障害で死亡することがあります。詳しくは、専門医に相談を。

*抗生物質の服用が原因の腸炎。下痢や腹痛などの症状がみられます

「リビングくらしき(2016.5.28)」より