コラム

 

質問

34歳の女性です。スギ花粉によるアレルギー性鼻炎で、鼻水と涙が出てきます。アレルゲンテストを受けたところ、スギヒノキやダニ、犬、猫、エビなどで多くの陽性反応が出ました。 抗アレルギー剤の服用や点鼻薬、点眼薬を使っていますが、特にスギやヒノキの花粉で鼻炎がひどくなります。良い治療法はありますか。

回答

アレルギー体質を変える治療法はないのですが、相談者の場合、根本的な治療として、アレルギー反応を起こしにくくする「減感作療法」が良いでしょう。

患者さんのアレルゲンを少しずつ体内に注入し、アレルギー反応を起こしにくい体質にする治療法で、微量のアレルゲンを1万~100万倍に希釈して注射します。これは、古くからある療法で効果はあるものの、面倒なのが欠点です。
 
もう一つの方法として、最近、保険適用になった「舌下免疫療法」があります。舌下に微量の抗原錠剤を入れ、2週間ごとに増量し、維持量にもっていくというもの。有効率は80~90%ともいわれています。アレルギーの強い人は、試みてもよいでしょう。簡単で効果的なので、この治療法を受ける患者さんは多いのですが、2~3年は続ける必要があります。
 
初めての場合、病院で30分ほど経過を見る必要があります。アレルギーの強い人は、まれに「アナフィラキシーショック」が起こり、のどが詰まったり、呼吸ができなかったりすることがあります。
詳しくは、減感作療法の処方医のいる病院へ。

*舌下に微量の抗原錠剤を入れる「舌下免疫療法」が簡単で効果的

「リビングくらしき(2016.1.30)」より