コラム

 

質問

41歳の女性です。食後におなかを抱えるほどの激しい腹痛がありました。胃薬を飲んでも良くならず、病院で点滴を受けたところ、多少は痛みが治まりましたが、あまり効果がありませんでした。胃と腸の検査、CT検査ともに異常がなく、MRCP(胆管すい管撮影)検査でも、すい臓に問題はありませんでした。 痛みが治まらないため、胃腸科を受診すると、「好酸球性(こうさんきゅうせい)胃腸炎」と診断されました。どのような病気なのでしょうか。

回答

好酸球性胃腸炎は、食事などが原因でアレルギー反応が起こり、好酸球というアレルギー性の白血球が消化管に多く集まって消化管粘膜を刺激し、食べたり飲んだりすると症状を引き起こします。そのため、食後に痛みが起こります。

好酸球性胃腸炎の症状としては、腹痛や嘔吐(おうと)、消化吸収が悪いために起こる下痢が頻回にあります。また、好酸球性食道炎は胸焼けやげっぷ、上腹部の痛みがあるので、逆流性食道炎と間違えやすい病気です。

治療法としては、アレルギーの原因になる食品を食べないこと。牛乳や卵がアレルゲンとなりやすいので避けましょう。しかし、原因になる食品が分からないことも多くあります。また、花粉や空気中のカビ、胞子で起こる場合もあるようですが、詳しい原因は不明です。アレルギー疾患、アトピー、ぜん息を合併している人も。詳しくは胃腸科の専門医へ。

*アレルギー反応により好酸性の白血球が粘膜を刺激し、腹痛を起こす

「リビングくらしき(2015.12.27)」より