コラム

 

質問

77歳の男性です。1ヵ月前、肛門に膿(うみ)がたまり、切開手術をしましたが、2週間後に痛みが出て、違う部分に膿がたまり、再び切開手術をしました。 その後も膿が出て、肛門がかぶれるなど、不快な症状があります。別の病院で診てもらうと、肛門の左横と左後方にしこりがある「複雑痔ろう」と診断され、手術を勧められました。どのような手術方法がありますか。

回答

痔ろうには、単純痔ろう「S」と複雑痔ろう「C」の2種類があります。複雑痔ろうは、ろう管が2本以上あるため、非常に治りにくい病気です。
痔ろうは、Ⅰ型、Ⅱ型、Ⅲ型に分類されます。数字が大きくなるほど、病巣が深部になります。また、比較的浅いものは「L」、深いものは「H」に分かれます。相談者はおそらく「ⅡLC」だと思われます。
手術方法は、次の3種類があります。

①レイオープン…単純にろう管を切り開くもの
②コアリングアウト…ろう管をくり抜くもの
③シートン法…ろう管に輪ゴムを通し、輪ゴムを締め付ける圧によって、ろう管を切り開くもの

相談者の場合は、シートン法がよいと思われます。腰椎麻酔のため、下半身はしびれますが、術後の痛みや出血は少なく、入院は約1週間です。
詳しくは肛門科の専門医に相談を。

*シートン法など3種類。術後の痛みや出血は少なく、入院は約1週間

「リビングくらしき(2015.7.25)」より