コラム

 

質問

70歳の男性です。1年前から背中の痛み、脈が速くなる、発作性の高血圧などの症状があり、病院の循環器科を受診すると軽度の狭心症と診断され、薬を服用していました。 以来、胸痛や不眠などで通院。最近、この症状が強くなったため入院しました。循環器科では、興奮やイライラ、手のしびれ、体のだるさ、発作性の高血圧は精神的なものからきているとのことでした。 しかし、入院後の検査でヘモグロビンの数値が7.8で貧血と言われ、大腸検査を受けたところ、大腸がんが見つかりました。2年前の大腸検査では異常がなく、4ヵ月前に軽度の貧血で大腸の検査を勧められましたが、拒否しました。 腹痛はなくても、大腸がんを患うことはあるのでしょうか。

回答

貧血または血便での大腸がんの罹患(りかん)率は、約18%(※)あります。大腸がんは少量の出血が続くため、気付かないことも。腹痛はなく、貧血で大腸検査を勧めても、「下剤を飲むのがわずらわしい」と拒否される場合があり、判断が難しいことがあります。そのため、貧血が進行し、循環器の病気と診断されて、別の治療が進むケースがあるので注意を。

慢性の貧血は、大腸がんなどの大腸疾患(しっかん)を疑い、大腸カメラを受けた方がよいでしょう。詳しくは専門医へ。

※福岡大学筑紫病院消化器内科1995年1月~2003年12月のデータより。数値は進行がん、腺腫・早期がん、出血性のポリープを合わせたもの。

*慢性の貧血の場合、大腸がんなどの疾患を疑い、大腸カメラの受診を。

「リビングくらしき(2015.9.26)」より