コラム

 

質問

75歳の女性です。数年前から肩の痛みがあり、カイロプラテック、マッサージなどを受けましたが良くならず、 病院のレントゲン撮影で「四十肩・五十肩」と診断されました。しかし、回復しません。よい治療法はないですか。

回答

肩の筋肉、腱が切れる「腱板断裂」は、70代以上の約2人に1人が潜在的に持っている(メディカ出版「肩関節再建術」参考)
といわれるくらい多い病気です。四十肩・五十肩と腱板断裂の違いは、前者は肩の動きが強く制限されるのに対し、後者は
初期では肩の動きの制限がなく腕の上げ下ろしで痛みやひっかかりが出現し、ひどくなってくると力が入らない、夜も痛くて眠れない
といった症状が出てきます。
 原因は、肩の形態異常、加齢による腱の変性や血流低下、外傷によるものなどさまざまです。
 治療法は、高齢者で症状や腱の損傷が少なければ、注射や内服、リハビリテーションを行いますが、痛みが改善しない場合は
手術を選択します。
 また、壮年期や若年者での断裂または外傷に起因するものは、早期に手術をして加療するのが良いといわれています。
その理由は、あまりに進行すると修復不能になることもしばしばあり、こうなった場合、人工関節や腱の移植などが必要になります。
修復が十分可能な場合は、現在では体を傷付けない低侵襲のカメラでの加療が可能です。

※高齢者で腱の損傷が少なければ手術や内服などで。改善しない場合は手術も

「リビングくらしき(2017年8月26日号)より」